
柔道、弱まる日本の影響力 山下氏が理事落選
日本のお家芸である柔道が一本背負いを食った。国際柔道連盟(IJF)は10日、ブラ
ジルのリオデジャネイロで総会を開き役員を改選、教育・コーチング理事の再選を目指し
た山下泰裕氏(50)が落選した。IJFの執行部から日本人がいなくなったのは、
1952年に日本が加盟して以来初めてで、世界の柔道界での影響力の低下が懸念される。
2003年9月に就任し、2期目を狙ったロサンゼルス五輪金メダリストの山下氏は、欧
州連盟が支持するモハメド・メリジャ氏(アルジェリア)に61対123の大差で敗れた。
事前の雰囲気から落選は予想されていたが、対立候補に惨敗した山下氏は、総会を途中で
抜け出し、「現実は厳しいな」と無念そうな表情を浮かべた。
理事として努力してきた山下氏は、朴容晟IJF前会長(韓国)を支持していたことから
欧州連盟と対立し、「この1年は足を引っ張る話が多かった」と振り返った。
日本人がIJFの執行部からいなくなり、「世界の流れについていけるかが心配だ」。全
日本柔道連盟の上村春樹専務理事も「IJFの動きが活発化してくる。何とか情報を集め
るようにしなければ」と危機感を募らせる。
IJF会長に就任したばかりのマリアス・ビゼール氏(オーストリア)の新体制で、日本
は重要な決定の情報入手が遅れることになる。ルール改正など競技の根本にかかわる動き
に反対するにも、報告を受けてからになるため「本家」が世界の流れから取り残される恐
れが出てきた。来年の北京五輪で、日本に悪影響が出かねない。
欧州連盟会長を務めるビゼール新会長は、対立した朴前会長を支持した日本に厳しい姿勢
を取り、朴氏の後継者と目された山下氏をも敵対視。欧州連盟は5月のアジア連盟の会長
選挙でクウェート人の立候補者を支援し日本から立候補した佐藤宣践・全日本連盟副会長
を破った。
当地では世界選手権開幕を間近に控えており、日本の柔道関係者は日本選手団に動揺が起
きないよう気を配っている。
■権力闘争の犠牲者
4年間の実績を掲げて再選を目指した山下氏の訴えは届かなかった。教育・コーチング委
員会で自らの下で働いてきたメリジャ氏にダブルスコアの大敗。五輪金メダリストの威光
は、IJF内の権力闘争に巻き込まれた形で輝きを失った。
「会長のビゼールに負けたということだと思う」。山下氏は静かな口調ながら、権力闘争
に挟撃された無念さを口にした。
日本が支持してきた朴前会長が先日辞任した時点で、大敗は目に見えていた。前会長と対
立してきたビゼール新会長は強引な手法で出身母体の欧州以外にも勢力を拡大。今回は3
つのポストが改選期を迎えたが、財務総長は勝ち目がないと見た現職が総会中に立候補を
取り下げたほどだった。その欧州パワーを前に、純粋に柔道の普及と発展を訴えた「世界
の山下」もなすすべがなかった。
山下氏は2003年から理事として、柔道のリサイクルや不正な柔道着の取り締まりに積
極的に取り組み、4年間の実績を訴えてきたが、ビゼール新会長はメリジャ氏を支援した。
IJFから日本人が消え、今後、日本の発言力が懸念される。「世界の流れからおいてい
かれるし、対応も後手後手になる」と山下氏。そでが短かかったり襟が分厚かったりして
つかみにくい不正な柔道着を放置すると、「襟を持てば強い」といわれる日本柔道にとっ
ては死活問題だ。
ビゼール新会長は独断専行型で物事を決める。商業化と国際化を推進し、テニスのように
世界各国を転戦するグランプリなどは、欧州のプロ選手を想定し、アマチュア規定のある
日本にとっては厳しいものだ。
ただ、IJFも日本を軽視することはできない。世界選手権などのスポンサーは日本企業
が中心で、主要大会に日本選手は欠かせない。山下氏は政治的な争いに巻き込まれたが、
武道的、教育的側面を重視する日本に賛同する人々も存在する。
日本には柔道本家としての存在意義がある。だが、現状で独自の価値観に固執すれば、世
界で孤立してしまう。協調路線の中で進むべき道を見いだしていくしかない。
■世界選手権、毎年開催に
国際柔道連盟は10日の総会で、現在2年に1度行っている世界選手権を毎年実施し、
2010年大会を日本で開催することを決めた。日本での開催は03年大阪大会以来とな
り、場所は未定。11年のパリ大会も決まった。五輪が開催される年は非五輪種目の無差
別級だけの世界選手権を実施し、来年は11月にマカオで行われる。
また、09年からは世界を転戦する「8カ国グランプリ」の開催も決まった。選手のラン
キング制を導入し、将来は五輪と世界選手権の出場権の分配につなげるという。(共同)
(産経新聞 2007/9/11)
今回の件は、2ちゃんねるハン板的には、韓国と組んだものは、失敗するとい
う法則が今回も的中したという好例ですね。(単なる笑い話ですので、法則知
らない方は、無視して下さい。)
冗談はさておき、今回の話は、柔道が国際化した事によるジレンマとも言える
でしょう。発祥の国の競技として重視すべきものが無視または軽視される事は
ある国の歴史的文化的な見方や美学を反映していた競技から、文化や美学が蒸
発していき、ついには、純粋な競技として明確に書かれたルールを元に発展し
ていく場合には必ずついて回る問題点と言えます。
IJFに日本人がいなくなる事は、ルール改正が国際競技としてのJUDOの
普及、発展のみを考慮して行われる事を加速しこそすれ、それが逆になる事は
ありません。
現代のスポーツの流れを考えればテニス、サッカーに見る様に、スポーツのシ
ョー化、商業化は避ける事の出来ない潮流になっています。その意味で、どう
しても柔道が日本固有の武道であるという意識を頭に残した日本人は、見方を
変えればアナクロニズムの信奉者という謗りを免れる事が出来ないのかも知れ
ません。
オリンピック競技としてのJUDOと日本古来の(と言っても近代柔道は120年
程の歴史になりますが)武道としての「柔道」は、違ったものになったと理解
すべきではないかと思います。JUDOwareと柔道着が別物になりつつあるのです
からそう考えた方が実情を反映しています。
日本国内でも、JUDOの競技会と「柔道」の競技会は別に開催する様にすれば
良いのです。選手には、JUDOと「柔道」両方への参加を自由し、競技ルール
は各々異なる様にするのです。つまりJUDOでは、階級別ポイント制とし、
「柔道」では無差別一本制とする様な形です。
最初は違和感があるかも知れませんが、「柔道」を守ろうとするならば、そう
ならざるを得ません。
他の競技にはこの好例があります。例えば、今日、オリンピック競技のテコン
ドーと空手は別の競技と認識されています。しかし、韓国こそ、テコンドーは
高麗時代からの韓国固有の競技と言っていますが、実際には、戦後、沖縄空手
から発展した競技にすぎません。元々は同じ競技であったものが、現在では、
別のスポーツとして発展しているのです。
更に、柔道と同じく武道として発展した剣道が、国際的にも一定の愛好者がい
るにもかかわらず、スポーツ競技化を拒み、オリンピック競技への道を拒否し
ているのは、柔道とは好対照と言えます。
剣道は、日本文化と美学を維持していけるかも知れませんが、その替わりに国
際競技としての発展の道を自ら閉ざしており、海外の剣道愛好家を事実上放棄
している事も指摘せざるを得ません。実際、各国ではオリンピック競技になる
事で、学校の課外活動の対象になったり、スポーツ振興資金が得られる様にな
る事が多いので、海外の剣道愛好家からは、剣道のオリンピック競技化が望ま
れているのです。
この点を突いて、韓国が剣道をコムドという名前で、韓国発祥の競技として、
オリンピック競技化を働きかけています。もし、これが実現すれば、海外の剣
道愛好家は一斉にコムド競技者に転向すると考えられています。(これは、一
時盛んであった海外の空手道場がいまや殆どがテコンドー道場に変わっている
事からも容易に類推できます。)
柔道にせよ、空手にせよ、剣道にせよ、日本固有の文化・美学を残したまま、
競技の国際化を行う事は不可能と言えます。その意味で、IJFから日本人理
事がいなくなった事は、JUDO国際化が新たな発展段階を迎えたものと積極
的に捉え、それへの実際的な対応を考えるべきではないかと考えます。
そうでなければ、日本の「柔道」はフランケンシュタインの怪物に成長した
JUDOによって飲み込まれてしまうのかも知れません。


by maido5963
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