<< 2011年05月
1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031

韓国の新型フリゲート一番艦進水

2011/05/02 15:59

 

 ※写真は、朝鮮日報Webサイトから転載

 
韓国軍:「天安」の後を継ぐ新型護衛艦進水
排水量は2倍、対潜・対空能力が向上した次期護衛艦
 
「天安」と同じクラスの旧型哨戒艦(排水量1200トン)や護衛艦(1800トン)
を代替する次期護衛艦(FFX)1番艦「仁川」が29日、蔚山市にある現代重工業
の造船所で進水した。
 
2300トン級のFFXは、北朝鮮の潜水艇による奇襲攻撃で沈没した天安の二の舞
にならないよう、旧型哨戒艦・護衛艦に比べ対潜水艦・対空作戦能力などが向
上。さらに、国防科学研究所(ADD)で現在開発が進んでいる射程距離約230キ
ロの韓国製戦術艦対地ミサイルも搭載し、西海(黄海)北方限界線(NLL)付
近の海上で作戦中の韓国軍艦艇に脅威を及ぼす北朝鮮の地対艦ミサイル、海岸
砲などに対する精密攻撃能力も備える予定だ。仁川は、既存の哨戒艦・護衛艦
に比べ性能が大きく向上した新型ソナー(音響探知装置)を搭載しているほか、
対潜ヘリ、韓国製軽魚雷「青サメ」、魚雷の追跡をかわすための音響対抗シス
テムなどで武装している。また、哨戒艦・護衛艦にはない対空ミサイル、飛来
する対艦ミサイルを迎撃できる「ファランクス」近接防空システム(CIWS)、
3次元レーダーをはじめとする最新電子装備なども搭載している。
 
韓国海軍は、2020末までに計24隻のFFXを建造し、約30隻の旧型哨戒艦・護衛
艦を代替する計画だ。
 
韓国軍関係者は「仁川という名前は、NLLや北西島しょ防衛の意志を込めたも
ので、天安事件を受け、進水の日程を若干繰り上げた」と語った。仁川は来年
12月に海軍に引き渡された後、2013年半ばごろ実戦配備される。
 
(朝鮮日報 2011/04/30)
 
韓国軍:「大洋海軍」を事実上放棄
軍の戦力増強の方向を修正
 
国防部(省に相当)は29日、国防改革をめぐり「大洋海軍」「航空宇宙軍」志
向路線を事実上撤回する内容を盛り込んだ改正法案を立法予告した。
 
その内容は、韓国軍の兵器など軍事力について、北朝鮮による非対称戦力の脅
威などの軍事挑発や全面戦の脅威に備えることに注力するというもの。これに
より、イージス艦など大型艦艇の追加建造や空軍の空中給油機導入など、周辺
大国の脅威や先端未来戦に備えた戦力増強計画は取り消されるか、または延期
される見込みだ。
 
国防部はこの日、国防改革をめぐる改正法案の合同性の概念を「戦場で勝利す
るため、地上・海上・空中戦力などを機能的にバランス良く発展させ、これを
効率的に統合運用することで、乗数効果を達成できるようにする能力または特
性」と定義した。これまでの法律では「先端科学技術が動員される未来戦争の
様相に伴い、総体的な戦闘力の相乗効果を極大化するため、陸軍・海軍・空軍
の戦力を効果的に統合発展させること」と規定していた。合同性発揮の目的を
未来戦争の様相に対する備え」から「戦場で勝利するため」に変更したわけだ。
 
韓国軍の消息筋は「法律から“未来戦”という用語が削除されることで、海軍・
空軍のキャッチフレーズだった“大洋海軍”、“航空宇宙軍”という言い回し
も消えるだろう」と語った。これに対し海軍・空軍の一部からは「周辺国はス
テルス機、新型潜水艦、航空母艦などを開発・建造しているというのに、北朝
鮮の脅威に備えるという理由で、未来戦への備えをおろそかにしているのでは
ないか」という懸念や批判が出ており、今後議論になることが予想される。
 
国防部は1990年代半ば以降、北朝鮮による軍事的脅威は大きく弱まったと判断
し、統一後の周辺国の脅威や先端未来戦に備えた戦力増強を行ってきた。しか
し、昨年の哨戒艦「天安」沈没事件や延坪島砲撃事件以降、「大洋海軍建設論」
などに対する批判が起こり、北朝鮮の軍事挑発に対する備えを最優先課題とす
る方向に戦力増強のかじを切った。
 
(朝鮮日報 2011/04/30)
 
韓国海軍は、大洋海軍建設の名の下に広開土大王級駆逐艦(KDX-1)、
忠武侯李舜臣級駆逐艦(KDX-2)、世宗大王級イージス駆逐艦(KDX-3)
を続々と就役させている事は、このブログでも取り上げてきました
が、数の上で、その中核を担っているのは、先に北朝鮮の潜水艇の
魚雷攻撃を受けて沈没した哨戒艦天安の属する、ポーハン級コルベ
ットや、ウルサン級フリゲートです。ポーハン級は24隻がウルサン
級は9隻が、80年代~90年代にかけ整備されました。現在でもボー
ハン級は22隻が、また、ウルサン級は9隻全てが在籍しています。
 
今回進水したのは、この両級の後継となるフリゲート艦です。
記事にもある通り、合計で24隻が、建造される予定となっています。
 
日本の艦で言えば、あぶくま型護衛艦と似たサイズですが、はるか
に重武装であるのが特徴です。
 
       仁川          あぶくま
基準排水量    2300トン                2000トン
満載排水量    3100トン                2900トン
全長          114.0m                  109.0m
全幅           14.0m                   13.4m
深さ            4m                      3.8m
主機     CODOG  58000shp         CODOG 27000sshp
速力           32kt                    27kt
乗員          145名                   120名
主砲          62口径5インチ単装砲     62口径3インチ単装砲
対空砲        ファランクスBlock1B型   ファランクスBlock1型
              20mmCIWS                20mmCIWS
SAM           RIM-116B RAM            RAM(後日装備)
SSM           SSM-700「海星」x4x4       ハープーンSSMx4x2
対潜兵器      三連装単魚雷「青鮫」    三連装短魚雷発射機x2
       発射機x2
       「スーパーリンクス」    アスロックSUM8連装1基
       対潜ヘリコプター
 
建造時期に20年以上の開きがありますが、むしろ艦の性格の違いを
思わせる要目の相違が感じられます。
 
一言で言えば、似たような大きさの艦に、ヘリコプター搭載装備を
載せ、主砲を一回り大きなものにして、主機も馬力が倍のものを搭
載し、対艦ミサイルも倍にした上、対空装備も倍にした艦であると
言えるでしょう。
 
艦内スペースは一定で、その多くを、主兵装に充てている訳ですか
ら、当然の事ながら、しわ寄せは、補給物資のスペースと居住性に
きています。つまり、強力な武装であるが、長期の航洋能力は、持
たない艦であると言える様に思われます。また、対空、対艦、対潜
能力いずれの面でも強力ですが、その中でも陸上打撃力がとりわけ
強力である様に思われます。
 
この性格付けは、北朝鮮からの攻撃への対処を考えれば当然とも言
えますが、二番目の記事で述べられているように、韓国は、大洋海
軍としての艦艇整備を諦めた事も影響があると思われます。
大洋海軍を目指すのであれば、新フリゲートはもう少し、スペース
に余裕がある耐航性能が高い艦体を持つことになったでしょう。
海上で長期間の哨戒を行うには、補給品が必要になりますが、その
保管スペースは必須です。居住性が悪ければ、乗員の士気や能力に
影響を与える事になります。それは、大洋海軍建設の先駆けともな
った広開土大王級(KDX-1)が、新フリゲートとほぼ、同程度の装備
を持つにも係わらず1000トン大きな船体を持っている点からも、明
らかである様に思われるのです。
 
 
環球閑話日々の徒然まとめサイト

カテゴリ: 世界から  > 韓国・北朝鮮    フォルダ: 軍事-海

コメント(3)  |  トラックバック(0)

 
 
このブログエントリのトラックバック用URL:

http://ysaki777.iza.ne.jp/blog/trackback/2267032

コメント(3)

コメントを書く場合はログインしてください。

 

2011/05/02 22:13

Commented by 朝日将軍 さん

>今回進水したのは、この両級の後継となるフリゲート艦です。
記事にもある通り、合計で24隻が、建造される予定となっています。

>日本の艦で言えば、あぶくま型護衛艦と似たサイズですが、はるか
に重武装であるのが特徴です。

韓国新型フリゲートの設計思想は、某帝国海軍の駆逐艦の設計思想にくりそつ。いやそっくりで心が痛いです。凝りに凝った重武装高性能艦は列国の軽巡洋艦にも匹敵しましたが、艦隊のワークホースとして幾多の海戦で消耗し、安価で短期間で量産できる護衛艦(DE)が求められるようになりました。

海自も5000tを超える「あきづき」級護衛艦とは別に、2000~3000トンクラスの安価で軽武装で航洋性も比較的高いDEを10~20隻保有すべきでしょう。
あぶくま型護衛艦をベースにしても一向に構わないでしょう。このクラスを海上保安庁に貸与してもいいし、ASEANに供与してもいい。

 
 

2011/05/03 10:07

Commented by その蜩 さん

しかし、韓国次から次から軍備大増強ですが、どこにそんなカネがあるんでしょうかね。
やはり全てツケ払いで、そのツケを日本にまた払わせる気満々なんでしょうか。

 
 

2011/09/08 16:22

Commented by msmania さん

はじめまして。いつも読まさせていただいています。

このフネ・・この排水量でこの重武装。時化になったら転覆しそうな感じですね。旧海軍の夕張型軽巡を思い出してしまいました。

しかしこのクラスとはいえ30隻置き換えなどと・・財政破綻国家が言えるセリフとも思えない。10隻くらいが関の山じゃないでしょうか。

ともあれ、大洋海軍の夢が経済的現実によって覚まされたのはいいことだと思います。韓国よ、現実に帰れ。守るべき大洋は半島には存在しないのだから。

 
 
トラックバック(0)