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日本の貢献大きいボーイング787 ロールアウト!

2007/07/10 13:01

 



※写真はBoeingのサイトより転載

新世代のボーイング787型機きのうロールアウト                
8月末にも初飛行/日本の技術力が大きく貢献

【ワシントン州エバレット発:鈴木記者】ボーイング787型機のロールアウト式典が8
日午後3時30分(日本時間9日午前7時30分)から、シアトル近郊にあるボーイング
社のエバレット工場で行われた。式典の冒頭、ボーイング社のジム・マックナーニ会長/
社長兼CEO(最高経営責任者)が開発に参加した関係者に謝意を述べ、NBCのニュー
スプログラムでアンカーを務めた経歴を持つトム・ブロコウ氏の司会により式典は進行。
ブロコウ氏が、本日までに677機の受注を獲得したことを発表すると(※民間航空機史
上最速の早さの受注となる)、会場全体から歓声が沸きあがった。

その後、世界各国の開発パートナーが紹介され、衛星回線を結んで、富士重工業、川崎重
工業、三菱重工業、アレニアなど6社が挨拶を述べ(※挨拶順)、皆、787型機の開発
は「Innovative(革新的)」であり、「Amazing(驚くべきこと)」で
あったと述べた。そして式典の後半には、ローンチ・カスタマーである全日空の山元峯生・
代表取締役社長が「夢がカタチになって現れて嬉しく思う」と挨拶。最後には、787型
プログラムのゼネラルマネージャーであるマイク・ベアー/バイス・プレジデントが、会
場に集まる各航空会社、グローバル・パートナー、ボーイング社の関係者などにそれぞれ
に立ち上がってもらい、これまでの努力に感謝と敬意を示すと、皆が惜しみない拍手を贈
った。そして、1万5,000名を超える関係者の拍手喝采の中、787型機が会場に姿
を現すと、その歓声と拍手はいつまでも鳴り響いた。(上写真)。

なお、787型初号機は今後、エバレット工場で最終システムの設置、機内や飛行試験
用の装備など、最後の仕上げに入り、8月末から9月の間に初飛行する予定。飛行試験は
8ヵ月間ほどかけて行われる計画で、6機の787型機が使用される。そして2008年
4月に型式証明を取得し、2008年5月にローンチ・カスタマーの全日空に納入される。
全日空では、先ずは乗員養成も兼ねて国内線に就航させ、後に中国線を中心とした海外路
線に投入するとしている。

▽高い運用効率/日本企業の技術力が貢献
787型機は2004年4月に全日空が標準型となる787-8型機を20機、中距離型
となる787-3型機を30機の計50機の採用を決定したことでプログラムが正式にロ
ーンチした。その後、その高い運用効率が評価され、日本航空を含む世界各国の航空会社
から受注が相次ぎ、8日現在で、47社より667機、リストプライスで1,000億ド
ルを超える受注を獲得した。

その高い運用効率を実現するのは、GEnxやトレント1000などの新型の高バイパス
比ターボファンエンジン、重量比で50%を採用した軽量の複合材、レイクド・ウィング
チップを採用するなどして低抵抗化を図った空力、ブリード・エアを使用したシステムを
電気に置き換えて機器の軽量化を実現させたシステムなど。ボーイング社はこうした対策
により、767-300型機などの既存の競合機に比べてエンジンで8%、複合材、空力、
システムの各々で4%の計20%もの燃費向上が図れるとしている。

そして、こうした燃費向上には、日本企業の技術力が大いに貢献した。機体では、三菱重
工業が翼長約30mの複合材主翼、川崎重工業が前部胴体など、富士重工業が中央主翼ボ
ックスを担当し、軽量化による燃費向上に寄与している。運用効率で大きなウェイトを占
めるエンジンでも、GEnxエンジンにIHIが、トレント1000エンジンには三菱重
工業や川崎重工業がリスク・シェアリング・パートナーで、住友精密工業が主要サプライ
ヤーとして参画し、燃費性能や環境性能の向上に貢献している。
また、複合材の使用はメンテナンスコストの低減にも寄与する。ボーイング社787型プ
ログラムでメカニックを担当するジャスティン・ヘイル副チーフは、「耐久性、耐疲労性、
耐腐食性に強い炭素繊維複合材を使用することで、整備に必要な間隔はアルミニウム主体
の767型機に比べて倍になった」と述べた。具体的に、重整備の間隔は12年になると
いう。結果、検査にかかる労力は大幅に削減できることとなった。この他、腐食性に強い
複合材の使用により、キャビンの湿度を上げることが出来るほか、6,000ftまで高
度を下げることができ(従来は8,000ft)、乗員乗客への負担も小さくなっている。

▽ローンチ・カスタマー・全日空の貢献
また、ローンチ・カスタマーの全日空の貢献も大きい。ボーイング社は787型機の工期
を短縮するためエアライン毎のオプションをなるべく認めない「標準型」の開発にこだわ
っていた。そのため、787型機をベストセラー機にするには設計段階からエアラインの
ニーズを反映させることが重要。全日空は「Working Together Team」
に参加して、他の参加メンバーと共に様々な提案活動を行った結果、シャワートイレや操
縦室窓の洗浄装置の装着、貨物室ドアの作動時間短縮(30秒に半減)やエンジン内部の
点検孔の増設など、140~160件近い提案を採用させ、787型機の魅力を高めさせ
た。

▽787型機の今後の展開
787型機の受注は既に600機を超える好調さで、仮に年間100機を生産しても、今
から発注すると納入は6年後になる。それ故、ボーイング社は、未だ決定には至っていな
いものの、月産機数を拡大したい考えだ。日本の重工業3社は既に、月産機数増に対応し
た設備の増強について検討している。なお、ボーイング社は最終組立を3日で完了するこ
とを目標としている。
(日刊航空通信CLIP 2007/07/09)

ボーイングの期待を担うドリームライナーBoeing787がロールアウトしました。
日本時間では7月9日ですが、現地時間では2007年7月8日です。米式の日付表記
にすると07.08.07になります。ご覧の通り787です。結構、洒落ています。

航空関係のブログは挙って、この機体について、コメントすると思いますが、
私も蛇足ながら少々コメントしたいと思います。
ボーイング787は中型機です。ボーイングの既存の機体では、ボーイング767を
置き換える事になります。全体的な形状は主翼が結構反り上がっている点を除
けば、従来の双発機に比べて大きな違いは無いように見えます。ライバルのエ
アバスが就航を急いでいる超巨人機A380と比べると大して特徴のない機体に見
えます。

一見、平凡に見えるボーイング787ですが、中身を良く見ると、結構革新的な
機材である事が判ります。
①機体を構成する材料から軽量化に拘った燃費の良い機体です。
従来のアルミ合金に替えて軽量で丈夫な炭素複合材を広範囲に使用した事、
及び、新型エンジンと組み合わせる事で全体で20%以上燃費を改善しました。
②窓が大きく、機内気圧が高い、乗客に優しい機体です。
従来、機内の気圧は、高度2400mと同じ程度に与圧されていました。圧力に強
い炭素複合材の使用により、これを高度1800m程度の気圧にする事ができ、乗
客の快適性が向上しました。また、窓が大きい点も快適性の向上に繋がってい
ます。
③薄型背もたれ座席の採用でエコノミークラスでも座席ピッチが実質6cm広が
りました。
航空会社が座席を詰め込まなければ、膝の辺りが苦しかったエコノミークラス
でも多少の余裕を得る事が出来ます。

ボーイング787の誕生に当たっては、日本の企業が大きく貢献しています。そ
の幾つかを紹介します。
①787の開発製造の約35%を日本の企業がリスク・シェアリング・パートナーと
して参画
しています。ボーイング767、777でも日本の企業は、製造に参画して
いましたが、過去参画割合が一番高かった777でも開発製造割合は21%でしたか
ら14%向上した事になります。特に、主翼の開発、製造は三菱重工が担当して
いますが、ボーイングの機体で主翼の開発をボーイング以外が行うのは初めて
の事です。また、炭素繊維複合材の材料は東レが全面的に提供しています。
今でこそ、民間旅客機としては過去最高の販売実績を上げていますが、構想
が発表された時には、不人気でキックオフカストマーとなる航空会社がありま
せんでした。そこで手を上げたのが全日空でした。
一気に50機をオーダーした
事で、787プロジェクトは正式にスタートする事になりました。翌月に日本航
空も35機を発注した事でプロジェクトは更に加速されました。そこへ降って
沸いた原油価格高騰により一気に全世界の航空会社から引く手あまたとなった
訳です。
③トヨタが始めたジャストインタイム方式で製造されます。
787はシアトルにあるボーイングのエバレット工場で最終組立が行われますが、
この最終組立ラインは、ムービングラインと呼ばれるトヨタカンバン方式の
製造方法が適用される予定です。従来の機体では、この最終組立工程には、約
三週間を要していましたが、ムービングラインでは、これが三日間に改善され
ます。787の製造には世界十ヶ国が参加していますが部品をジャスト・イン・
タイムで工場搬入する為に、ドリームリフターと呼ばれる専用機まで作られて
います。

さて、気になる今後の予定ですが、初飛行は9月に予定されています。全日
空には、来年7月に量産1号機(通産9号機)が納入される事になっています。
それだけ、コンピュータ上で仮想的な飛行実験が可能となっていて試作機と
量産機の違いがなくなっていると言う訳です。

初飛行から僅か十ヶ月で量産機引渡しとなり、航空会社での訓練、準備を経
た後、就航となる見込みです。日本航空にも来年8月には納入されますので、
我々が世界で最初に787の乗客になれるかもしれません。あと一年待ち遠し
いですね。

※試験機がそのまま量産機として全日空に引き渡されると書いていましたが
誤りでしたので修正しました。

カテゴリ: ビジネス  > その他産業    フォルダ: 航空・宇宙

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