

※上段は、「尹永夏艦」中央日報サイトよる転載
下段は、「はやぶさ」型ミサイル艇
最新鋭ミサイル高速艇「尹永夏艦」、28日進水
2002年に西海(黄海)で起きた北朝鮮との交戦事件(西海交戦)で戦死した尹永夏(ユン・
ヨンハ)少領(少佐に相当)にちなんで名付けられた海軍の最新鋭ミサイル高速艇(PKG)
1号艦「尹永夏艦」の進水式が28日、行われた。尹少領が乗っていたチャムスリ高速艇に比
べはるかに強力な武器と最先端の戦闘システムを備えており、西海の北方限界線(NLL)防
衛で主導的役割を果たす。
海軍は1999年に起きた延坪島沖で起きた交戦事件(延坪海戦)と西海交戦を教訓に、高速
艦1号艦を「尹永夏艦」と命名したのに続き、進水式も西海交戦5周年の前日に当たる28日
に行った。初代艦長には延坪海戦の英雄、アン・ジヨン少領(37)=海軍士官学校47期=
を任命した。
宋永武(ソン・ヨンム)海軍参謀総長の主管で行われた進水式には、尹少領の父親ユン・
ドゥホさん(海軍士官学校18期)をはじめ、西海交戦の戦死者遺族、参戦将兵、軍関係者
ら150人余りが出席した。宋参謀総長は祝辞で「6人の勇士の勇戦奮闘で北方限界線は守ら
れており、西海交戦の勝利は『第2の延坪海戦』と定義できる」と指摘した。
今後「尹永夏級」と呼ばれることになる新型ミサイル高速艦は、既存の130トン級チャム
スリ高速艇に比べ、重量が440トン級とはるかに大きい。射程距離150キロ以上の国産艦対
艦ミサイル「海星」4発を搭載している。
北朝鮮が保有する「オサ‐Ⅰ級」ミサイル高速艇は排水量171トンで、射程距離46キロの
スティックス艦対艦ミサイル4発を積んでいるが、火力面では尹永夏級がはるかに優位だ。
尹永夏級は、これまで1000トン以上の大中型艦艇に搭載していた口径76ミリ砲(射程距離
20キロ余り)も備えている。
また、韓国国内で初めて開発された探索・追跡レーダーも搭載し、電子戦装備などで構成
される最新の指揮統制システムも備えている。レーダーに捕捉されにくいステルス機能も
持ち、3500トン級韓国型駆逐艦の80%に相当する戦闘能力があるという。尹永夏艦は来年
上半期に実戦配備され、計20隻余りのミサイル高速艦が建造される予定だ。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
(朝鮮日報/朝鮮日報JNS 2007/06/29)
従来、PK-Xと呼ばれていた、韓国の次期高速ミサイル艇が進水しましたので、
どの様な艦なのか、少し、見ていきたいと思います。
比較の為、「尹永夏(ユン・ヨンハ)艦」と海上自衛隊の「はやぶさ」型ミサイ
ル艇と要目を比べて見ます。
艦名
全長
全幅
喫水
基準排水量
満載排水量
機関
出力
最大速度
航続距離
主砲
対艦兵装
補助兵装
三次元捜索レーダー(国産開発中)
水上レーダー
航海レーダー
射撃指揮装置
乗員
竣工
整備数
建造費用
韓国は長い間北朝鮮を主敵としていた事もあり、北朝鮮が有力な高速ミサイル
艇であるオーサ級、コマール級を多数整備していた事から、これに対抗する砲
艇(チャムスリ級90隻以上)とコルベット(ポーハン級24隻)を多数保有しています。
両軍共に小型の高速艇を多数保有し38度戦付近に設定したNLL(北方限界線)
を挟んで対峙していますので、当然衝突に発展する事も起こります。
1999年には、延坪島沖で延坪海戦が行われ、ここでは韓国が北朝鮮の砲艇二隻
を撃沈し圧勝しましたが、2002年6月29日に発生した西海交戦では、北方限界
線(NLL)を侵犯した北朝鮮警備艇が韓国の砲艇チャムスリ357号に先制攻撃を
加え、尹永夏少領以下6人が戦死し、十数人が負傷しチャムスリ357号は沈没し
ました。
今回の新型ミサイル艇の名前は、この時戦死した尹永夏少領の名が付けられ、
艦長には延坪海戦に参加したアン・ジヨン少領が任命されています。
独島艦が日本に対抗する名前であるのに対し、高速ミサイル艇は北朝鮮に対抗
する名前が付けられています。
実は、西海交戦は、日韓ワールドカップの最中に発生した為、世間の関心も薄
く、亡くなった海軍軍人の葬儀には政治家が参加せず、更に、その後、太陽政
策を継承する盧武鉉が大統領となった為、犠牲者にスポットが当てられる様に
なったのは、皮肉にも米軍から反米運動の象徴となった事故死した女子中学生
の名前を韓国人は知っているが、西海交戦で亡くなった軍人の名前は韓国では
知られていないと指摘された後だったと言うオチまで付いています。
それはさておき、「尹永夏」級と「はやぶさ」型の比較です。
排水量では「尹永夏」級は「はやぶさ」型の約二倍の大きさです。
高速ミサイル艇の走りとなった旧ソ連のオーサ級が171トンであったのに比べ
ると大型化しているのが良く判ります。主兵装は、「尹永夏」級、「はやぶさ」
型共に、76mm速射砲と対艦ミサイル連装二基で同じです。
「尹永夏」級の特徴は、充実したレーダーと戦闘システムです。韓国初の国産
三次元レーダーがこの艦用に開発されていますし戦闘システムも同様に新型が
開発されています。
「はやぶさ」型が武器プラットホームであるとすれば、「尹永夏」級は、武器
プラットホームであると同時にセンサープラットホームであると言えます。
これは両国の武器構成の違いを反映しています。日本の場合は、目標を最初に
発見するのは哨戒機の役割です。「はやぶさ」型は、SFシステムで指示され
た水域に進出し、ミサイルを発射して、直ぐに基地に帰還するという使い方が
一番の任務として想定されています。また、第二の主要任務として不審船対策
があり、この為、44ノットという高速が与えられています。
一方、「尹永夏」級はNLL付近で、北朝鮮の先制攻撃を単独で探知し、反撃す
る事が期待されています。また、NLL付近で比較的長期のパトロールを行う必
要があるので、相応の居住性と航続距離が要求されますので、その分、センサ
ーが充実され船体が大型化したと考えられます。一見高速ミサイル艇としては、
贅沢すぎる装備の様にも見えます(戦闘システムなどは、大型艦用システムの
習作とも感じます)が、要求に対しては合目的的であると考えます。
その点、独島艦やイージス艦より余程理解し易く、類似した艦種であっても、
運用方法や主要任務の違いによって兵装や大きさが大きく変わってくるという
好例であると思います。


by maido5963
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